韓国、慰安婦問題で「協議会議」 日韓合意に不満の声も

ソウル=神谷毅
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 韓国の元慰安婦らが日本政府に賠償を求めた裁判をめぐり、韓国政府は4日、関連する部署の高官や原告代理人、日韓関係の専門家らでつくる官民の「協議会議」を発足させ、初会合を非公開で開いた。韓国外交省によると、会議は首相直属の国務調整室の主催で、各界の多様な意見を聞くことを目的としている。

 元慰安婦訴訟では、国家には他国の裁判権が及ばないとする国際法上の原則「主権免除」が争点となった。ソウル中央地裁は1月の判決では日本政府に賠償を命じたが、4月の別の訴訟では日本政府に主権免除を認め、原告の請求を退けた。4月判決は「韓国政府が日本との外交的交渉などの努力で解決しなければならない」と促していた。

 文在寅(ムンジェイン)大統領は1月判決後の記者会見で、「少し困惑している」と述べ、2015年の日韓慰安婦合意を「両国間の公式合意」と確認した。このため今回の会議設置をめぐり、文政権が政治的な解決に動き出したとの見方も出ている。しかし、会議関係者の1人は「国務調整室は大統領府からの指示で動いてはいるが、この問題を解決に導く政治的な方法や意思が具体的に見えてきてはいない」と語る。

 関係者によると、4日の会合では、外交省次官から韓国政府の立場について説明があり、市民団体などからは慰安婦合意に改めて不満が表明された。北朝鮮を含めて慰安婦問題をはじめとした日本の植民地支配下における人権問題の究明が不十分だとして、韓国政府が財団をつくって調査を支援するべきだとの声もあった。次回の日程は決まっていないという。(ソウル=神谷毅)