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個人向けiPS細胞、民間が先行 2人分作製の企業も

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野中良祐
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 体のどんな細胞にもなれるiPS細胞をめぐり、複数の民間企業が「将来の再生医療への備え」として、個人向けにiPS細胞をつくって保管するサービスに乗り出し、1社は既に2人分を作製したことがわかった。iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授も、個人向けにiPS細胞をつくる「マイiPS」を2025年に始める構想を掲げているが、民間が先行した格好だ。

 個人のiPS細胞を作製したのは、米国に本社があり、京都に細胞の作製拠点を構えるベンチャー企業「アイ・ピース」。創業者の田辺剛士CEO(最高経営責任者)は山中教授の研究室出身で、山中教授がヒトのiPS細胞を世界で初めてつくったと報告した論文の著者の一人だ。

 同社は15年創業で、iPS細胞の作製コストを下げるため、設備の小型化や作業の自動化について技術開発を進めてきた。昨年から、個人のiPS細胞を200万円で作製する事業「MiPSC(マイ・ピース)」を始め、男性2人の血液からiPS細胞を作製。液体窒素を使って凍結保管している。

 iPS細胞用試薬の製造・販売などを手がける「リプロセル」(横浜市)も4月から、乳歯や親知らずなど別の治療目的で抜いた歯、尿をもとに個人のiPS細胞を90万~220万円でつくる「パーソナルiPS」という事業を始めた。横山周史社長は「問い合わせは3ケタに上っている」と説明。今はiPS細胞作製の作業を進めているという。

 個人のiPS細胞の作製と保管は、将来、再生医療が確立した場合に、速やかに使えるよう備えるのが目的だ。iPS細胞による再生医療は、目や心臓、脳神経などの組織をつくって、病気で傷んだ箇所に移植する臨床研究が進んでいる。

 自分の細胞からiPS細胞を…

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