ソラを舞うリク 名に込めた願い 三浦璃来物語(下)

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坂上武司
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 「デカ!」

 フィギュアスケートの世界選手権、世界国別対抗戦と連戦を終えて、練習拠点のカナダから1年4カ月ぶりに兵庫県宝塚市の自宅に帰ってきた三浦璃来(りく)(19)=木下グループ=の第一声だ。玄関で出迎えてくれた妹の鈴音(りん)さん(14)の身長が、すっかり自分を追い越していてびっくり。

毎週水曜日にフィギュアスケートにまつわる話題をお届けします.

 カナダへ出発する直前の2020年1月に背比べした時は、ほぼ一緒だったのに……。ペア選手だから小柄なのは優位なことだけれど、まさか妹に……。もしかするとそんな気持ちもあったのかもしれない。ただ、久しぶりに、温かい、優しい家族に会えたのがうれしかった。オフとなったゴールデンウィークは、コロナ禍で外出もできないので、おすしを宅配してもらい、家族でめいっぱい楽しんだ。

 父の雄次郎さん、母の由理子さん、そして仲良しの妹の鈴音さん。三浦を支えてくれる大切な家族だ。三浦は普段は試合の話はあまりしない。そのかわり、カナダで過ごした普段の練習や出来事を話した。

 コロナ禍。リンクでなかなか練習ができなくて、日本に帰れなくて、木原龍一(28)=木下グループ=と近くの湖にドライブをして、2人で話しながら涙を流したこと――。街へ買い物に行って、アジア人への冷ややかな視線を浴び、わざと避けられるような体験をしたこと――。試合での結果より、その道のりをどう乗り越えてきたか。三浦にとっては何よりも代えがたい経験だから、家族と共有しておきたいのだろう。

 スケートとの出会いは6歳の時だ。ディズニーアニメの中に登場するスケートのシーンが大好きで、何度も何度もそのDVDを見た。「私も絶対滑れるよ」。兵庫県尼崎市のスケート場に連れて行ってもらうと、「続けたい」。それから本格的に習うようになった。

 15年から市橋翔哉さんとペ…

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