本音語れる保健室 女子生徒たちに伴走してきた養護教諭

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川村さくら
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3児の母となったかつての生徒とは今も頻繁にLINEでやりとりをする。詩梨(ことり)ちゃんの事件のあとには「頭から離れなくて辛(つら)い」とメッセージがきた=2021年6月5日午後2時37分、札幌市、川村さくら撮影
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 「あのね……」

 保健室にいると、女子生徒たちの本音が見えてくる。

 「親から暴力受けている」

 「妊娠した」

 「貧しくて食べるのに困る」

 札幌市の高校で養護教諭をしている50代の女性は、生徒たちの声に耳を傾けてきた。「具合が悪い」とふらりとやってくる生徒たち。話すうちに、ぽつりぽつりと、自分たちの暮らしを語り出す。

 心に残るかかわりがある。

 その彼女は幼いころ、母親を病気で亡くした。生活保護を受給する父親と暮らしていた。

 小学校から、ほとんど通わなかった。中学生のとき、不審に思った住民が児童相談所に通報し、児童養護施設に預けられた。

 そして、養護教諭のいる高校に入ってきた。

 慣れない学校生活。授業中じっと座っていることができない。入学して3日目に保健室へやってきた。彼女はドアの横から顔をのぞかせた。「入っておいで」

 「頭がいたい」。彼女はにこにこしている。眠れているか、食事をとっているか。2人は会話をつづけた。

 ふと、彼女がこぼした。「早…

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