「よみがえる沖縄」展始まる 視点深まる座談会も 福岡

沖縄はいま

真野啓太
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 朝日新聞記者が撮影した1935年の沖縄の写真を展示する企画展「よみがえる沖縄1935」が5日、九州産業大学美術館(福岡市東区)で始まった。7月25日まで。緊急事態宣言中は観覧を同大学の生徒・教職員に限っている。

 写真は近年、朝日新聞大阪本社で見つかった277コマのネガをプリントしたもの。朝日新聞と沖縄タイムスは共同で、どこで何を撮った写真なのかを取材し、紙面やウェブサイトで紹介してきた。そのうち約100枚と関連資料を企画展で展示している。

 5日は記者と研究者によるオンライン座談会があり、多くの写真が残されていた沖縄本島・糸満での取材を担当した沖縄タイムスの堀川幸太郎記者は、写真の漁師を特定した経緯などを説明。名前はわかっていたが、当時の糸満は同姓同名が多く、丹念な裏付けが必要だったという。「決定的な写真は1枚もないが、人々の表情や風景が点描されている写真群として、見る人の記憶や心にどう落とし込まれていくのかが楽しみ」と話した。

 九州産業大学からは須永敬(たかし)教授(民俗学)、朝日新聞からはネガを見つけた清水隆と、取材を担った吉田拓史の2人が参加。須永教授は展示写真と同時期の1935~36年に沖縄で調査した民俗学者折口信夫が残した写真と比べながら、それぞれの写真の特徴を分析した。市場や墓など被写体が重なることから、「当時は本土から来た人を案内する場所が決まっていたのではないか」と指摘。一方で同じような場所で撮った写真も、折口の写真は建物の裏手まで見えるように撮られていたり、朝日新聞の写真は生き生きとした表情の写真が多かったりといった違いがあると説明した。一般の観覧は6月24日からの予定。(真野啓太)

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