玉音放送、短波ラジオで届けた送信所 茨城に今も鉄塔群

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古源盛一
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お前はまだキタカントウを知らない(KDDI八俣送信所

 敗戦の玉音放送は、ここから海外の戦地にいる日本軍将兵にも送信された。

 衛星放送も海底ケーブルもなかった時代。短波ラジオ放送は、大がかりな施設がなくても世界中に音声を届けることができた。

 ここは国内で唯一、海外向けに短波ラジオ放送を送信するKDDI八俣(やまた)送信所茨城県古河市)だ。

 東京ディズニーリゾートとほぼ同じ約100万平方メートルの敷地に林立する鉄塔群の威容に少したじろいだ。筑波山を望むと、青空に赤白ツートンの鉄塔が浮かび上がった。送信開始から今年で80周年。4月下旬、報道向けに特別公開された施設を見学した。

 猿島郡郷土誌(1941年刊行)によると、送信所ができた当時の八俣村は人口4536人で、9割が農家。そんな典型的な農村になぜつくられたのか。「広い平地が確保でき、雪や台風の被害が少ない。国内の適地はここだけだったのでしょう」。説明役の松井一浩インフラグループリーダー(50)が教えてくれた。

 戦前の趣を残す本館の屋上に上がった。送信アンテナは計18組あり、鉄塔の配置により、アンテナの向きは360度をカバーする。北ならボストンやロンドン、西はソウルやナイロビ、短波は全世界に向かっている。

増幅には真空管「重さ70キロ」

 短波とは周波数帯3~30メ…

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