五輪担当市職員ら優先接種が実現困難に 太田市長が提案

新型コロナウイルス

長田寿夫
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 東京五輪に出場するソフトボール女子豪州選手団の合宿地、群馬県太田市の清水聖義市長が提案した市の担当職員やホテル従業員への新型コロナウイルスワクチンの優先接種が、実現困難な状況に追い込まれている。国は優先接種の容認に際し、高齢者への7月中の接種完了と余剰ワクチンの確保という条件を示しており、クリアできるかが極めて不透明なためだ。

 豪州選手団の33人は来日前に2回のワクチン接種を済ませているが、受け入れる市の担当職員やホテル関係者はまだ1人も接種を受けていない。

 清水市長は会見で「選手たちに迷惑をかけないため」として、市職員13人とホテル従業員約40人への優先接種を提案。内閣官房にも「安全な五輪開催のために認めてほしい」と要望し、「容認する」との回答を引き出していた。

 ただ、国は優先接種の前提条件として、①7月末までの高齢者へのワクチン接種完了②接種に使う市の高齢者用ワクチンに余剰が出ること――の2点を提示。これを受けて市は「高齢者の接種状況にめどがつき、ワクチンの余剰が確実になれば、関係者への優先接種を検討する」としていた。

 前提条件について、市幹部は「どちらも先行きが不透明で、実現は厳しくて難しい」と明かし、「6月末時点で高齢者の1回目の接種が90%終わっていれば、関係者への優先接種を検討する」と話す。その場合、7月1日に市職員らの優先接種を始めても、2回目の接種は同17日の選手団の合宿終了後になってしまう。

 県内の市町村で高齢者のワクチン接種がすでに始まる中、太田市では6月5日に始まったばかり。接種完了が8月にずれ込むのは避けられない見通しだ。

 清水市長が優先接種への意欲を表明後、市には批判の電話が多数寄せられた。市によると、高齢者の接種が進まない状況で優先接種を受けることに抵抗を覚える市職員も少なくない。それが優先接種をめぐる担当課の慎重姿勢にもつながっているようだ。(長田寿夫)

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