「ペア休」取得を動画で呼びかけ、「男性育休」も追い風

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 子どもがうまれたら、夫婦で「ペア休」を――。育休の取得に苦労した経験を持つ先輩パパ・ママらの有志でつくる「ペア休プロジェクト」が男性も育休を取りやすい空気をつくっていこうと呼びかける動画をつくりました。男性の育休取得を促進する改正育児介護・休業法が今国会で成立したのも追い風にしたいと考えています。

 「あの、課長。うちの会社って育休取れるんでしたっけ?」

 子どもが生まれることになった男性社員が、上司におそるおそる話しかける。

 課長は「いやー聞いたことないな。男性は取ったことないし、そのころは繁忙期だからな」。先輩社員は「パパになるんだから、もっと(仕事を)がんばれよ」。

 男性社員は結局、育休をあきらめる。そして、子どもが生まれ、慣れない子育てに追われる妻と衝突してしまう――。

 ペア休プロジェクトの動画は、そんなシーンの後、男性が育休取得を言い出しにくい職場の空気を変えるため、周囲の私たちができることは何か、と問いかけてくる。そして、女性なら「産後は尿漏れで大変、母親1人ではムリ」など産後の大変さを周囲にも聞こえるような大きな声で語ってみる、同僚の社員が言い出せずに困っているようなら自分がその同僚の業務を代わりにやれると名乗り出てみる、といった具体的な行動を提案する。

 動画制作を思い立ったのは、昨年7月に出産した横浜市のキャリアコンサルタント、境野今日子さん。新型コロナ禍のために里帰り出産をやめ、夫も育休を取って夫婦で産後を乗りきろうと考えた。ところが、夫の上司は「母親ひとりでできるだろう」などと言って難色を示した。労働基準監督署などにも相談するなどして結局、育休は取得できたものの、もやもやが残ったという。

 その経験から「産後は夫婦で休業し、育児に向き合うことをもっと当たり前にしたい」と考えた。父親の支援に取り組むNPO法人ファザーリング・ジャパンのメンバーやSNSなどで呼びかけたところ、会社の反対でかつて育休を断念した男性、子どもはいないが関心がある若者など6人が全国から集まり、動画をつくるアイデアに賛同してくれた。

 「ペア休」は、メンバーで話し合って考えた言葉だ。「夫婦で育児を当たり前に」というメッセージを込めた。「うちはペア休にするわ、という感じで使って欲しい」。2010年の流行語大賞「イクメン」に代わる言葉としてはやらせたい、と意気込む。

 育休をめぐっては、今国会で改正育児・介護休業法が成立。2022年4月から企業は子どもが生まれる社員ひとりひとりに育休の制度を説明し、取得する意向があるかを確認することを義務づけられる。22年秋からは、子どもの誕生直後に父親が最大4週間の「男性産休」を取れる制度も新たにつくられる。

 境野さんは、夫が職場で育休取得について交渉しているとき、先輩社員や同僚が応援してくれたことにとても励まされた。「周りの人が応援の気持ちを行動に表せば、職場の空気を変えることができるはず」と言う。

 ペア休プロジェクトの動画はYouTubeで公開されている。

 この動画を手がかりに育休について考えるオンラインイベント「『育休を取りたいパパ』に私たちができる支援とは?」も10日午後9時半から開かれる。ファザーリング・ジャパンの主催。申し込みは(https://peatix.com/event/1935494/view?k=03b12fb2ab3f80b6eee4655c491565caeb6c33f1別ウインドウで開きます)へ。