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「来年末までに全世界で接種」 英首相誓約をG7提案へ

ロンドン=金成隆一
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 11日開幕の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、議長国のジョンソン英首相が、新型コロナウイルスの感染終息に向け、「2022年末までに全世界でワクチンを接種する」という公約への賛同を日米などの参加国に呼びかける。英首相官邸が5日発表した。

 ジョンソン氏は発表文で、「新型コロナの撲滅と、私たち共通の価値観による世界的な復興という戦後最大の試練に、世界は私たちが立ち向かうことを期待している」とし、「来年末までに全世界(の人々)にワクチンを接種することは、医学史で最大の偉業になるだろう」と訴えた。

 今回は、20年に新型コロナパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、初のG7サミット。欧米が自国のワクチン確保を急いだ一方、アフリカ全体の接種率が2%に満たないなど途上国との格差が批判されており、サミットでも途上国支援が議論される見通しだ。中国がワクチン外交により、世界で影響力を強めることへの懸念もある。

 具体案としては、余剰ワクチンの現物提供や、ワクチン知的財産(特許)の一時放棄が出ている。

 現物提供については、すでに日本が約3千万回分、米国が8千万回分、欧州連合(EU)が年内に1億回分を打ち出した。英国も近く提供計画を発表する見通しだ。

 英国は、世界で接種されたワクチンの「3本に1本」が、英政府が後押しした英アストラゼネカ製ワクチンだとして、「世界の最貧困層へのワクチン提供のために恐らくどの国よりも貢献してきた」(ハンコック保健相)との立場だったが、最近は「少なくとも2割を海外へ」などと現物供与を求める声が国内でも強まっていた。だが、必要な数量には遠く及ばない。特許放棄は、途上国での生産を促進するとしてインドなどが提案。米中の政府は支持を表明したが、欧州や日本などが難色を示す。「22年末までの接種」を目標に掲げる場合、資金援助も含めて、どこまでサミットで合意できるかが焦点となりそうだ。

 新型コロナ対策については、世界保健機関(WHO)など4国際機関トップが朝日新聞など各国主要メディアへの共同寄稿文で、G7サミットの「最も重要な議題」と指摘していた。

 G7サミットは11~13日、英南西部コーンウォールで対面方式で開かれる。(ロンドン=金成隆一)