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パワハラ自殺、トヨタと遺族和解 人事評価基準を見直し

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遠藤隆史、千葉卓朗
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 トヨタ自動車の男性社員(当時28)が2017年に自殺したのは上司のパワーハラスメントパワハラ)が原因として労災認定されたことをめぐり、トヨタがパワハラと死亡の因果関係を認め、遺族側と和解したことがわかった。遺族側は損害賠償や再発防止を求めており、人事制度を見直すなどとしたトヨタの姿勢を評価。訴訟に至らない形での和解となった。

 和解は4月7日付。トヨタと遺族側代理人の立野嘉英(たちのよしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、トヨタが上司の監督責任を怠るなどの安全配慮義務違反があったと認め、解決金(金額は非公表)を支払う。トヨタの豊田章男社長は、男性社員の自殺が報道された後の19年11月と和解成立時の今年4月に大阪市内で遺族と面会し、直接謝罪したという。

 トヨタによると、協議中だった能力重視から人間性重視への評価基準の変更を、パワハラ防止策に位置づけ、実施を前倒し。管理職以上の約1万人を対象に、上司や部下、社内外の関係者ら十数人で評価する「360度フィードバック」を昨年7月に導入し、複眼的に人間性を分析する。適性がないと判断すれば所属長などにはしない。今年度は、対象者を係長らも含めた約2万人に広げる方針だ。

 またパワハラを受けた際、声を上げやすいよう、どの部署にも属さない独立した相談窓口を設置。家族や同僚も相談できるほか、入り口としてネットから匿名で相談できる仕組みも整備した。相談があった場合は事実関係の調査を綿密に行う。精神科医が常駐する相談センターも設置した。

 社内調査などによると、男性は、東京大大学院を修了して15年4月に入社。翌16年3月に愛知県豊田市の本社で車両の設計などを担う部署に配属された。男性は直属の上司から「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと繰り返し言われた。この上司から個室に呼ばれ「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」と言われたとも相談していたという。

 男性は同年7月に休職。10…

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