土石流リスク「国有林伐採しないで」 長野の住民ら訴え

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佐藤靖
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 長野県南木曽町にある国の「緑のオーナー制度」の対象となっている国有林の伐採をめぐり、地元住民の間で土石流災害への懸念が高まっている。外国人観光客に人気の峠道の景観にも影響を及ぼしかねないとの指摘も出ている。

 伐採が予定されているのは、岐阜県境近くの同町の男埵(おたる)山にあるヒノキとスギ8・7ヘクタールの国有林。森林整備のために出資し、伐採の収益金を受け取る林野庁緑のオーナー制度の契約満了を迎える一帯だ。満了となるオーナーは今年度が26人、来年度30人の計56人。今後の意向確認で、オーナーから伐採の意向が示された場合、早ければ今年度分の3・5ヘクタールは中部森林管理局(長野市)が入札し、落札されれば、伐採される。

 一方で同管理局によると、この一帯では土石流の危険性が指摘されてきた。町には小さな河川が多く、「蛇抜け」と言い伝えられてきた土石流が過去に何度も発生した。男埵山周辺でも、1958年、75年に土石流が発生し、75年は1人が亡くなった。また、2014年に同町梨子沢では、中学生1人が亡くなり、JR中央線の橋桁が流されるなどの被害があった。地元住民は、伐採により、再び土石流が発生する危険性が高まるのではないかと不安を募らせる。

 また、周辺は観光地として人気の峠道に近い。ふもとにある同町妻籠宿と馬籠宿(岐阜県中津川市)を結ぶ約9キロの旧中山道は、江戸時代の雰囲気が味わえるとして、外国人観光客らのハイカーからの人気が高く、19年度には約5万7千人が歩いた。江戸時代の民家を改装した無料休憩所を設け、地元住民も盛り上げている。

 こうした地域住民の不安を受…

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