オリックス増井、「救援の心」で先発 約2カ月ぶり勝利

山田佳毅
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 (6日、プロ野球交流戦・オリックス4―0中日)

 球をリリースした勢いのまま、一、二歩、本塁へにじり寄る。ボールと判定されても、口元には笑みが浮かんでいる。

 オリックスの増井が乗っている証拠だ。こうなると36歳、ベテラン右腕は崩れない。六回2死、好調なビシエドを遊ゴロに仕留め、悠々と引き揚げた。3月31日の今季初勝利から2カ月あまり。6回無失点で、自身7試合ぶりとなる2勝目を手にした。

 「長かったですね」

 日本ハム時代の9年前、45ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。増井には救援投手のイメージが強い。

 それが昨季、先発に転向した。救援から先発への転身は、その逆を実現するより難しい。任されるイニングが長いうえ、早々に試合を壊さないよう細心の注意も必要だ。

 増井も順応に苦しんだ。1勝目から勝てなかったのは「長いイニングを7~8割の力でうまく投げようとしすぎていた」。調子が上向いたのは、5月に約3週間の調整期間をもらってから。「力を込めて初回から行こうと思って投げるうちに、投げる体力もついてきた」という。

 一方で、他の先発投手には得がたいものを持つ。「リリーバー(救援投手)の気持ち」だ。ピンチだった一回2死一、二塁。ここでは“火消し役”に徹した。高橋周を「狙って」三振に。過去、数多くの難局を切り抜けたフォークを勝負球に使った。

 救援時代の技術と心。それは、新生増井の財産であり、武器でもある。