音楽朗読劇「ヒロシマ」 茨城・土浦で8月に上演

谷口哲雄
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 広島で被爆した路面電車を主人公に、原爆の悲惨さを伝える音楽朗読劇「ヒロシマ」が8月に茨城県土浦市で上演される。同市の市民グループが「平和の大切さを語り継ぎたい」と企画したもので、県内での公演は初めてとなる。

 「ヒロシマ」は千葉県習志野市在住の演出家・嶋崎靖さん(65)の作・演出による音楽朗読劇で、2007年に初演された。広島で原爆に遭い、今も現役で走り続ける実在の路面電車を擬人化したおばあさんが主人公。出征した男子に代わり運転士や車掌を務めた10代の少女らも登場し、「あの日」の惨劇をたどる。

 嶋崎さんの長男で打楽器演奏家の雄斗さん(34)によるマリンバが、時に静かに、時に激しく、登場人物の心情や情景を表現する。

 靖さんは「戦争体験者が少なくなる中、原爆体験を風化させてはいけない、若い世代に伝えたいとの思いを込めた」と話す。

 上演を企画したのは、土浦市で街おこしに取り組む市民団体「つちうら駄菓子屋楽校」。代表の石原之寿(のことぶき)さん(62)が旧知の靖さんに誘われ、2年前に東京で「ヒロシマ」の上演を手伝い、観劇したのがきっかけだった。

 「核兵器の悲惨さや、戦時中に女学生が路面電車を運行していた事実に衝撃を受けた」と石原さん。「ぜひ多くの人たちに見てほしい」と上演を思い立った。会場費や出演料など数十万円の経費がかかるが、土浦市の補助金や企業の協賛金で一部をまかなうことで実現した。

 石原さんは「広島に原爆が投下された8月6日を前に、戦争や平和について考える機会にしてほしい。とりわけ中高生ら若い人たちに見てもらえたらうれしい」と期待する。

 上演は8月1日午後2時と午後5時の2回、土浦市中央2丁目の市亀城プラザで。入場料1500円(学生千円)。問い合わせは石原さん(090・8109・0480)へ。(谷口哲雄)