第7回台湾統一へ軍事的圧力強める中国 日本が進むべき道とは

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聞き手・園田耕司 聞き手 編集委員・佐藤武嗣
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デザイン・米澤章憲
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 米中両大国の対立が深まる台湾情勢。今後、どのような展開が考えられるのだろうか。安全保障に詳しい日米の識者である、米シンクタンク「ランド研究所」のスコット・ハロルド上級研究員と笹川平和財団の小原凡司・上席研究員に聞きました。

連載「台湾海峡『危機』のシナリオ」(全7回)

米国と中国の対立が先鋭化し、中国が台湾への圧力を強めています。台湾をめぐる日米中などの動きや思惑を描く全7回の連載です。最終回となる7回目では、安全保障問題に詳しい米国のシンクタンク上級研究員と安保専門家が軍事的な衝突があった場合のシナリオなどを解説します。

ハロルド氏「中国にとって残されたのは軍事的手段」

 ――中国の習近平国家主席ら指導部にとって台湾とはどのような存在ですか。

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米シンクタンク「ランド研究所」上級研究員のスコット・ハロルド氏=ランド研究所のHPから

 「台湾は中国共産党(CCP)の理念的な正当性に深く絡んでいる。CCPの正当性は天安門事件以降、共産主義革命からナショナリズムへと変わり、今では習近平国家主席が『中国の夢』を掲げ、台湾を含む領土の回復を訴えている」

 「とはいえ、中国の指導者層はエリート間の政争はあるにせよ、自分たちの地位を脅かすような存在はいない状態だ。そもそもCCPは台湾を奪取しないまま72年間生き延びている。ゆえにCCPは台湾を利用して国内の支持を集めようとしているが、実際の紛争は望んでいない。中国軍近代化の目的は、台湾海峡有事を念頭に、第三国が参加することを防ぐことに主眼が置かれている。つまり、ミサイル、対艦兵器、長距離ミサイルへの対抗、ISR(情報収集、警戒監視、偵察)で、米国の台湾支援を阻むことにある」

中国が取り得る軍事的手段とそのシナリオとは…。記事後半では、ハロルド氏が、中国が台湾に侵攻した場合のシミュレーションや米軍の対応について解説するほか、日本も「傍観者」というわけにはいかないということを論じています。さらには、笹川平和財団の小原凡司・上席研究員が4月の日米首脳会談で共同声明に「台湾」が明記されたことの意義や日本が取るべき対応について考察します。

 ――中国はなぜ今、台湾の防…

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