雷おこしも下駄も 浅草で広がる「看板商品交換」の輪

有料会員記事

柏木友紀
[PR]

 コロナ禍で観光客が激減している東京・浅草。三社祭の神輿(みこし)巡行が中止になるなど、街の活気が失われる中、老舗店から新店が一緒になって、店の看板商品を「物々交換」し、みんなで浅草を盛り上げようというユニークな取り組みが進んでいる。浅草に元気を取り戻したいという、店主たちの熱い思いがにじむ。

 活動の名前は「浅草もの繫(つな)ぎプロジェクト」。浅草に店を構える店主たちが、自分の店の看板商品をリレー形式で知り合いの店に届ける。贈る側も受け取る側も、互いの店の商品やこだわりをSNSなどで発信。自分たちの顧客や取引先らに仲間の店のことも知ってもらうことで、浅草の魅力を広げるのが狙いだ。今年2月末からスタートし、老舗のすきやき店や新店まで、これまでに10店がつながった。

 プロジェクト自体は昨年4月、東京都に最初の緊急事態宣言が出された際、銀座の老舗和菓子店から始まったものだ。店から店へ、物々交換を繰り返しながら街の魅力を発信した。

 浅草版は、銀座からのバトンを受けて始まった。浅草5丁目でカレーとスパイス料理店を営む宇賀村敏久さん(42)が、銀座の和菓子店から名物のどら焼きを受け取ってスタートした。

 祖父の代から浅草で靴問屋を営んで来た宇賀村さん。2015年に廃業し、18年からカレー店を始め、昨秋2号店を開いたところだった。

 昨年来、三社祭隅田川花火大会など多くの行事が中止や延期、縮小となり、浅草の観光客は激減。国内外からの観光客でにぎわっていた通りは閉店や休業を余儀なくされる店も多く、静まりかえる浅草に胸が痛んだ。「浅草を何とかしなければ」。そんな思いでスタート役を担った。

 浅草版のプロジェクトを示す…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。