パワハラ対策議論、「トヨタイムズ」では読めない舞台裏

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千葉卓朗、遠藤隆史
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 トヨタ自動車の入社3年目の男性社員(当時28)が自殺したのは上司のパワーハラスメントパワハラ)が原因の労災だとする認定が、2019年秋に報じられてから約1年半。トヨタと遺族側が和解したことが明らかになった。この間、社内の再調査や再発防止を主導したのは、豊田章男社長だった。その過程には、豊田社長の言動を普段は詳報する自社メディア「トヨタイムズ」では読めない社内議論があった。

 20年2月19日、この年1回目のトヨタ春闘交渉の模様を、自社で運営するウェブメディア「トヨタイムズ」が「指定席を立った社長 管理職と向き合う」との見出しで伝えた。

 今も公開されているこの記事によると、交渉は午前9時開始。「いつもと明らかにようすが違う」のが、机の配置だった。労働組合と経営陣が向かい合うのではなく、「管理職」の机が加わり、異例の「三角配置」になっていた。この配置について、豊田社長は「じくじたる想い」と発言。さらに管理職について「私が一番距離を感じている」「私に伝わってくるものは『無関心』」と、厳しい発言を連発した。「人間として尊敬できない」「生き方に魅力を感じない」という言葉まで出た。

 トヨタイムズはこうした様子を「会場は緊迫感に包まれていく」と記している。しかし、豊田社長がなぜここまで管理職に強い不満を持ったのか、その明確な理由は判然としない。

 実は、この日の交渉では、ト…

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