第1回宇垣美里さん語る「進撃」の完結 印象的なダサいセリフ

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構成・黒田健朗
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 11年半の長期連載を終え、9日に最終34巻が発売された人気漫画「進撃の巨人」(諫山創さん作)。作品の大ファンというフリーアナウンサーの宇垣美里さん(30)は、物語中の「視点の変化」が印象に残ったという。大好きなギャグシーンや、サシャ、ヒストリアなど思い入れのあるキャラクターへの思い、最終回の受け止めなどをたっぷり語ってもらった。(物語の展開に触れる部分があります。ネタバレ注意です)

うがき・みさと 1991年生まれ。フリーアナウンサー。BS日テレ「あの子は漫画を読まない。」MC。7月からドラマ「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジ系、火曜夜9時)にレギュラー出演。

 大好きで何度も見返すのが、巨人と戦う調査兵団の一員のヒストリア(クリスタ)に仲間のユミルが「お前…胸張って生きろよ」と声をかけるシーン。初出の場面(40話)では、他の登場人物もいる中のシーンでコマの扱いも小さいですが、ヒストリアが自分の生き方を選択する場面(66話)での回想では、見開きで2ページと大きくなって、大空に上る朝日とともに描かれます。彼女の目にはそのシーンがこういう風に映っていて、この言葉を支えに生きてきたんだなというのが、絵で伝わってきます。

 食いしん坊のサシャはいつもすさまじい勢いでがっつくような食べ方をするのに、彼女に思いを寄せるニコロの回想シーンだと、とても可愛らしくおいしそうに食べているように描かれる。その記憶を美化してしまう感じに何回見てもぐっときます。

 小説や実写では難しい、漫画だからこそできる、この人にはこう見えていた、という表現だと思います。このように視点が動かされることで見えてくるものがあります。物語が進むにつれ、最初はエレンたちの側から見れば、最悪な敵と思っていたライナーやベルトルト、アニが、もう一方の被害者だったとわかる。物事は決していち方向だけではないということがわかります。

 シビアで怖いシーンがたくさんあり、すぐ人が死ぬ作品ですが、辛気くさいだけではありません。笑ってしまうようなシーンもちりばめられています。例えば、巨人の秘密が残されているエレンの生家が巨人につぶされている、というシーン。コニーが(エレン・イェーガーにかけて)「エレンの家ぇぇがああああ」と言うのには笑っちゃう。エレンが中二病っぽい発言をした時に、ハンジが「今のは何だったの?」というシーンとかも。最終回ですら、後ろでガビがファルコを思いっきり投げ飛ばしているシーンがあります。ああいう抜けている感じがいい。まじめすぎないギャグシーンがあったからこそ、あの緊張感のある作品を読み続けられたのかなと思います。単行本の巻末のウソ次回予告とかもすごい好きでした。なんで学園モノが始まっているんだよって(笑)。

最終巻が発売された「進撃の巨人」について、識者3人へのインタビューを3回にわたってお届けします。宇垣美里さんのほか、評論家・宇野常寛さん、アニメ脚本家の辻真先さんがたっぷり語り尽くします

ネタバレ注意。宇垣さん「サバイバルホラーが現実の世界史に」

 キャラクターたちも魅力的で…

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連載「進撃の巨人」を語ろう(全3回)

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