36年ぶり選挙戦は23票差 7期の現職町長敗れた政変
稲田博一
千葉県白子町で「政変」が起きた。36年ぶりの選挙戦となった町長選。新顔で前町議の石井和芳氏(70)が3272票、現職の林和雄氏(73)が3249票という23票差で、現職の8選が阻まれた。「町を越え、長生地域を動かしている」と言われるほど隠然たる力を持っていた現職はなぜ敗れたのか。
投開票があった6日夜。「負けたということは、28年間の実績も評価されなかったということだろう。何も言うことはない。ただ、選挙というのは怖いと思った」。林氏は選挙事務所前で記者にぽつりと語った。
28歳で町議、45歳で町長に転身し、過去に県町村会長、現在は県土地改良事業団体連合会長を務める。土改事業は昨年度、県予算だけで159億円。土木業者への存在感は当然大きい。
不安要素があったとすれば、町長初当選も含め7回連続の無投票当選で、町長としての選挙戦は初めてだったことだ。
選挙戦では現職の力をフル活用。出陣式には国会議員や県議ら300人以上を集めた。投票前日には最大100人を集めた演説を6カ所で開き、表面上は相手陣営を圧倒した。
「『まさか負けるわけがない』、そんな油断した思いがなによりの敗因」と林氏。町議も「多くの人に集まってもらい安心していた」と語った。
密な人間関係で28年、対抗馬擁立の頓挫続く
一方の石井氏。当選後も事務…
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