本番の朝は魔法がかかる 役者も芸人もシモキタが育てた

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野田枝里子
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 演劇を夢見た若者たちはシモキタを目指した。

 小田急、京王の両駅がある下北沢駅。2019年3月にリニューアルした小田急線東口改札の白い案内板に、「本多劇場」が新しく加わった。公共施設が中心の表示に、民間の施設の名前があるのは珍しい。小田急電鉄広報部によると、「地元の声や街に来る人からアクセスの問い合わせが多く、特別に案内しています」。

 本多劇場はシモキタのシンボル的存在だ。グループで大小、八つの劇場を運営している。駅周辺をみても、駅前劇場、OFF・OFFシアター、「劇」小劇場、小劇場楽園などがある。公演のポスターに、知っている俳優の名前があるとうれしくなった。

 少し歩こう。茶沢通りに面したレトロな風情が漂う建物が見えた。演劇専用の小劇場で有名な「ザ・スズナリ」だ。1階は飲食店街の「鈴なり横丁」。月明かりの下で見る夜のスズナリも、雰囲気があっていい。隣には「シアター711」。本多劇場グループ総支配人の本多愼一郎さん(45)は「さまざまなアーティストがこの街に来た。世代交代しながら形を変え、散歩しても楽しい街並みになっていった。うちの劇場やライブハウスがあることで、街が形成されていったのかな」。

 はじまりは、愼一郎さんの父…

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