領空開放条約、ロシア離脱 米「復帰しない」通知受け

モスクワ=石橋亮介
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 ロシアのプーチン大統領は7日、非武装の航空機による領土の査察を認める「領空開放(オープンスカイズ)条約」から離脱する書類に署名した。6カ月後に発効する。同条約からは米国も昨年に離脱しており、2019年に失効した中距離核戦力(INF)全廃条約に続いて米ロ間の軍備管理の枠組みがまた一つ消えることになる。

 同条約は1992年、冷戦後の信頼醸成を目指し、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)加盟国などが調印した。軍事衛星の発達で航空機による査察の重要性が低くなった後も、信頼関係を維持する仕組みとして残っていたが、米国が昨年11月、ロシアが違反を繰り返しているとして離脱した。

 ロシアは「根拠のない批判だ」とし、今年1月に離脱の手続きを開始。今月16日にジュネーブで行われるプーチン氏とバイデン米大統領の初の首脳会談に向けて米国に翻意を呼びかけていたが、5月27日、米国から復帰しないとの通知を受け取っていた。

 米国とロシアの間では、19年8月、射程500~5500キロの地上配備型の中距離ミサイルの保有を禁じたINF全廃条約が失効している。(モスクワ=石橋亮介)