奈良県教委、ヤングケアラー実態調査へ 教委会議に報告

渡辺元史
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 病気や障害がある家族らの世話をする18歳未満の「ヤングケアラー」について、奈良県教育委員会は県内の実態調査に乗り出す方針を固めた。近く開かれる教育委員会会議の承認を経た後、オンラインでアンケートを実施する。

 厚生労働省によると、ヤングケアラーは、障害や病気を抱える家族を家事や看病で支えたり、家計を助けるために働いていたりする子どもたちを指す。厚労省文部科学省が民間に委託した今年の調査では、中学2年の5・7%、高校2年の4・1%が「世話をしている家族がいる」などと回答している。

 県教委によると、対象は県立高校の生徒と公立中学校の3年生を想定。県内の状況について国の調査よりもさらに詳細な調査が必要として、コロナ禍のオンライン授業で子ども一人ひとりに付与したグーグルのアカウントを通じてアンケートを実施する方向で調整している。悩みを抱える生徒にはスクールソーシャルワーカーがメールなどで相談に乗ることも検討する。

 中3のアンケートでは、県教委が来年度からの実施を目指している高校でのICT教育についても調査する予定。パソコンやスマートフォンなどの所有率を調べるという。ヤングケアラーについての質問をICT教育のアンケートと併せて行うことで、生徒が周囲の目を気にせず回答できるよう配慮するという。

 ヤングケアラーのアンケートは今後も継続して実施する。県教委の吉田育弘教育長は「まずは悩みや課題をしっかり聞く。そのうえで、関係部署と連携して対策を考えたい」と話した。(渡辺元史)