集団接種に「トヨタ式」 動線一筆書き、2分短縮の改善

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三浦惇平
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 トヨタ自動車が、車の生産で培った「トヨタ生産方式」をワクチン集団接種に応用し、会場運営の支援を始めた。ひとの流れを細かく分析し、作業のムダを省き、スムーズな接種を後押しする。そのノウハウに、全国の自治体からも関心が寄せられている。

 ハイブリッド車プリウス」などを生産するトヨタ堤工場(愛知県豊田市)。この工場内にある福利厚生施設に6日、住民が接種を受けに続々と訪れていた。

 トヨタの地元の豊田市では、約25万人の接種が見込まれる。このうちの4割が、18会場での集団接種だ。円滑な運営のため、市と連携協定を結んだトヨタは、産業医や看護師ら延べ計450人を派遣。四つの関係施設の会場提供や、レイアウト設計といった運営支援を無償でする。その一つが堤工場の施設だ。

 「このバインダーを持ってお進みください」。入り口では、スタッフが問診票やクーポン、身元証明書、お薬手帳の四つの必要書類をバインダーにまとめ、接種者に手渡していく。受付や問診時に書類を取り出すムダを省くためだ。

「受付80秒」「手指消毒12秒」の試算

 その後は書類の記入漏れチェック、受付、問診、接種と進む。動線は最短ルートで「一筆書き」だ。ここまで最短約5分。接種後は15~30分間待機して体調の異変がないと確認できれば、帰宅できる。待機時間を使い、2回目の接種の予約をする。この日接種を受けた清水京一さん(84)は約30分で済ませた。「スムーズに進み、思っていたよりも早く済んだ」

 トヨタから支援に入るのは、生産現場で効率化を図る「カイゼン」を重ねてきた社員だ。市や医師会の助言のもと、実際に時間を計り、「受付に80秒」「手指消毒12秒」と作業ごとに時間を算出。秒単位の時間をもとに、最適な人員配置を考えた。生産現場のカイゼンと同じ方法だ。

 会場の床には進路を矢印で示し、約60の案内板を設置した。案内板は市内に多く住む外国人にも伝わるように、5言語で表記した。トヨタの担当者は「接種者に負担をかけず、最低限の声かけで進んでもらえるようにした」と説明する。

 5月30日の接種開始後も…

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