子ども用水彩の世界、海越え「いいね」失敗重ねてもいい

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久保田一道
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 市販のスケッチブックに、小学校の授業で使う絵の具で描かれた風景画が、SNSで海外のユーザーの注目を集めている。発信しているのは水戸市に住む「学童用絵の具画家」を自称する男性だ。子どもにもおなじみの道具で描かれた作品が、世界の「いいね」を集めるのはなぜか。

 春の花の背景にたたずむ筑波山、青色が溶け合う空とネモフィラ……。水戸市の亀井則道さん(51)は4年前から計約400枚の作品をインスタグラムに投稿してきた。文具店などで市販されている、おなじみの水彩絵の具で、はがきサイズのスケッチブックに描いたものだ。

 フォロワーは1万4千人。うち約9割は海外のファンだ。米国、ロシア、インドと各地に広がる。投稿には水彩絵の具を使っていることを意味する「Water color painting」の一言を添える。その説明に「どんな絵の具を使っているの?」との問い合わせもしばしば。「日本の小学生のために開発された絵の具」と返信すると、後日、実際に通販サイトで購入したと知らせてくれた人もいた。

 制作のきっかけは、東京でアパレル系商社に勤めていた2017年1月、「人生初」のインフルエンザにかかったことだ。仕事に疲れていた時期だった。病院の帰り道、数日分の食料などを買った。棚にあった15色入りの懐かしい絵の具が目に留まった。本格的に絵を学んだことがあるわけではない。でも、「子どものころ、絵が好きだったな」と自然と手に取っていた。

 ネット上の風景写真をもとに、4枚ほどを一気に描くと、友人たちがインスタでの発信を勧めてくれた。投稿すると、次々に反応があった。個展開催の打診もあり、18年夏に会社を辞め、故郷の水戸に戻って制作を続けている。

■メーカー担当うなる技法…

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