トランプ氏への捜査が進展か 本人は「魔女狩り」と反発

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ニューヨーク=中井大助
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 トランプ前米大統領をめぐる、ニューヨークの検察当局による捜査が注目を集めている。納税記録の提出に関する長い法廷争いに決着がつき、捜査が進展しているとみられるためだ。訴追に至った場合は、トランプ氏の政治的進退にも影響するだけに、本人も検察側を牽制(けんせい)している。(ニューヨーク=中井大助

証拠が集まった可能性

 トランプ氏やその周辺の経済取引をめぐる捜査は、ニューヨーク州のマンハッタン地区検察官のバンス氏が、2018年から進めてきた。捜査の具体的な状況は公表されていないが、5月後半には複数の動きがあった。

 まず、5月18日にはトランプ氏一族の中核組織「トランプ・オーガニゼーション」について行政調査をしてきたニューヨーク州のジェームズ司法長官が、「刑事捜査に切り替える」としたうえで、バンス氏と協力をしていると発表。また、5月25日にはバンス氏が捜査のために大陪審を召集していることが、米メディアの報道で明らかになった。

 米国の事件捜査では、起訴をするかどうかは、一般市民によって構成された大陪審が判断することが多い。米メディアによると、今回の大陪審は6カ月にわたって、週3回集まる予定だ。

 検察官としての経験もある、ニューヨーク・ロースクールレベッカ・ロイフィー教授は、「大陪審が召集されたということは、何らかの刑事訴追に至る証拠が集まった局面に至ったのではないか」とみる。ただ、具体的な罪名や、トランプ氏を含めて誰が捜査対象となっているかは、まだ分からないとも強調する。

「大陪審の任期が延長されることはまれで、6カ月の期限の間に判断が示されるはずだ」という。

発端は「口止め料」

 バンス氏の捜査の発端は、16年の大統領選に関連し、トランプ氏と不倫関係にあったとされるポルノ女優に支払われた「口止め料」だ。この支払いに関連して、虚偽の文書が州当局に提出された可能性を調べていたとされるが、対象は次第に、トランプ氏のビジネス全般に拡大している。

 19年には、トランプ氏の経理を担当していた会計事務所に対し、11年以降の納税記録を提出するよう、バンス氏が召喚状を発出。トランプ氏は「現職大統領として、刑事捜査から全面的に免除される」として提出を止めようとしたが、連邦最高裁は20年7月にバンス氏の主張を認める判決を言い渡した。トランプ氏はその後も法廷闘争を展開したが、最高裁は21年2月に再びその主張を退け、バンス氏が納税記録を入手した。

 2回目の法廷闘争で、興味深いやり取りがあった。

 トランプ氏側は「召喚状の対…

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