身代金2.5億円の大半差し押さえ 米パイプライン攻撃

ワシントン=高野遼
[PR]

 米石油パイプラインが5月にランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃を受けて操業を停止した問題で、米司法省は7日、ハッカーに支払われた身代金のうち約230万ドル(約2・5億円)分の暗号資産(仮想通貨)を差し押さえたと発表した。

 発表などによると、運営会社コロニアルパイプラインは5月7日ごろ、ロシアに拠点があるとみられるハッカー集団「ダークサイド」からのサイバー攻撃を受けた。同社はシステム回復のため身代金の要求に応じ、現在の相場で約2・8億円に相当する約75ビットコイン(身代金支払い時約4・8億円相当)を支払ったという。

 米当局は支払いを追跡し、身代金のうち約63・7ビットコインが特定のアドレスに転送されたことを把握。暗号資産にアクセスするために必要な「秘密鍵」を米連邦捜査局(FBI)が入手し、差し押さえた。

 ランサムウェアによるサイバー攻撃は近年、増加傾向にあり米当局は対策を強めている。今回の差し押さえには、新たに設置された専門のタスクフォースが取り組んだという。

 司法省のモナコ副長官は「身代金の支払いはデジタル上の強奪を推進する燃料になる」とした上で、「米国はあらゆる手段を用いて、これらの攻撃が犯罪組織にとってコストがかかり、利益が少ないものにしていく」と述べた。(ワシントン=高野遼)