菅原前経産相を略式起訴 選挙区内で違法寄付 東京地検

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 菅原一秀・前経済産業相(59)が地元で香典などを渡したとされる問題で、東京地検特捜部は8日、菅原氏を総額約80万円の公職選挙法違反(選挙区内での寄付)の罪で略式起訴し、発表した。特捜部は当初は菅原氏を不起訴(起訴猶予)にしたが、検察審査会の「起訴相当」議決を受けた再捜査で違法な寄付金額を上積みし、処分を一転させた。

 菅原氏は東京9区(練馬区)選出の衆院議員だったが、1日に辞職願を提出し、3日の本会議で許可された。同罪の法定刑は50万円以下の罰金。菅原氏は起訴内容を認めて略式起訴に同意しており、東京簡裁による略式命令の刑が確定すれば公民権が停止される。停止期間は原則5年で、短縮される場合もある。

 発表によると、菅原氏は2018年4月~19年10月、選挙区内の33団体と26人に対して71回、香典、枕花や祝儀、祝花を提供し、総額約80万円を違法に寄付したとされる。同罪の時効は3年のため立件は18年以降となった。

 特捜部は20年6月、菅原氏が17~19年に延べ27人に贈った計30万円の香典・枕花を違法と認定したうえで、「公選法を軽視する姿勢が顕著とまでは言いがたい」と説明して不起訴にした。犯罪の成立は認めたうえで悪質性の程度を鑑みて起訴を見送る起訴猶予だった。

検察審査会の「起訴相当」議決で一転処分

 これに対し、東京第四検察審査会は今年3月、起訴するのが相当とする議決を公表した。議決書では菅原氏の寄付行為は「将来の選挙も念頭においたものと考えるのが自然」とし、30万円という特捜部の事実認定は絞り込みすぎだとも指摘。「国会議員はクリーンであってほしいという国民の切なる願いにも十分配慮すべきだ」と求めた。

 特捜部は議決を受けて再捜査を行った。香典・枕花は時効の成立で認定額が少し減ったが、祝儀や祝花を新たに認定。全体として違法な寄付金額を上積みし、悪質性が高まったとして起訴する方針に転じた。

 菅原氏は略式起訴を受け入れ、辞職願を提出した1日には「政治活動において公職選挙法に触れる部分があった。すべて包み隠さず当局への説明を終え、けじめとして辞職する決意をした」とコメントしていた。

 略式起訴は、書面審理で罰金などを求める簡易的な手続きで、簡裁が「不相当」と判断しない限り公開の正式裁判は開かれない。