国際法考慮の判決、韓国世論を二分 元徴用工訴訟に賛否

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ソウル=神谷毅
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 元徴用工訴訟でソウル中央地裁が7日に原告の訴えを退けた判決は、日本企業に賠償を命じた2018年の大法院(最高裁)判決を否定し、司法判断が分かれた。韓国社会は「司法の混乱」と受け止めながら、保守系は歓迎、進歩(革新)系は反発と評価は割れている。

 保守系大手紙「朝鮮日報」は8日付の社説で「前例のない混乱だ。歴史問題を政治的に利用してきた文在寅(ムンジェイン)政権と、超法規的な判決を出した大法院の責任だ」として、これまで原告勝訴を導いてきた司法の流れを批判し、今回の判決を歓迎した。進歩系のハンギョレ新聞は社説で「(判決は)日本との関係悪化が韓米関係の悪化につながると指摘するなど、政治外交的な判断を盛り込んでおり、飛躍がある」などと批判した。

 原告の請求を却下した地裁判決は、法律論にとどまらず、韓国の経済や安保、国際的な評価などの価値判断も持ち出した。1965年の日韓請求権協定に基づく日本からの無償資金が韓国経済の発展に貢献したと指摘。国際関係から韓国の現状を分析して日本との関係を損なうべきでないという判断も示した。

 さらに、判決は日本とは徴用工問題以外にも、(島根県の竹島の)領有権慰安婦の問題があることを挙げ、「もし国際司法裁判所に提訴して韓国が勝訴しても得るものがなかったり、一つでも敗訴すれば国益を致命的に損なったりすることは明白だ」とした。

 進歩系の学者は「当惑するような論理。年老いた原告たちの救済にまた時間がかかる」と批判する。

 一方、大手法律事務所の幹部は「国際法や国際関係を考えれば、今回の地裁判決の論理も妥当といえる」と語る。韓国司法が政治に左右されやすいとの意見について、この幹部は否定的な見方を示し、「地裁判決の歴史観は文政権のものと相いれない。保守的な信条を持つ裁判官が保守的な論理から導き出したようだ」とも語る。

 日本との歴史問題をめぐる韓…

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