アナ雪効果? ランドセル女児1位にあの色 業界も衝撃

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 来春小学校に入学する子どものランドセル選び、通称「ラン活」が本格化する季節となった。今年は百貨店などの営業時間短縮や売り場の休業で、ランドセル商戦にも影響が出ているようだが、業界も驚く「異変」がほかにも起きていた。

 ランドセルメーカーなどからなる業界団体「ランドセル工業会」によると、ランドセルの歴史は江戸時代にさかのぼる。幕末に輸入され、軍隊で使うようになった「背囊(はいのう)」と呼ばれる布製のかばんが、その始まりとされる。背囊はオランダ語で「ランセル」と呼ばれており、それが「ランドセル」になったという。

 現在のような箱形の背負うタイプのランドセルは、日本独自のものだ。1887年(明治20年)に大正天皇学習院への入学祝いとして、内閣総理大臣だった伊藤博文が箱形の通学かばんを献上したことがその起源とされる。3年後に素材が黒革になり、1897年には形状や寸法が統一されて「学習院型」と呼ばれた。男児は黒、女児は赤が一般的になったのは戦後からで、1990年代まで続いた。

 多色化の先駆けとなったのは、小売り大手のイオンだ。2001年に紫や青、茶色など24色のランドセルの販売を始めた。いまではミルキーホワイトにラズベリーピンク、ミントにロイヤルブルーなど、最大330種類のランドセルを取り扱う。

業界も「衝撃的」

 では、今の子どもたちはどのような色のランドセルを背負っているのか。ランドセル工業会が今年4月に小学1年生に進学した子どもの親、計1500人に、購入したランドセルの色などを尋ねる調査をした。

 その結果、女児では前年の調査で1位だった「赤」が2位(21.1%)となり、それまで赤と首位の座を競い合っていた「桃(ピンク・ローズ)」が3位(19.3%)に。その2色を抜いてトップに立ったのが「紫・薄紫」(21.5%)だった。調査が始まった18年が3位、19年も3位、昨年は2位と、じわじわと順位を上げていた。

 首位交代について、工業会の林州代(くによ)会長は「私たちにとっても衝撃だった」と話す。人気の理由について、「水色や紫色のドレスを着る『アナと雪の女王』や『塔の上のラプンツェル』といった、女の子に人気があるディズニープリンセスの影響が大きいのではないか」とみる。

 4位は水色(11.4%)。5位には、前年までトップ5に入っていなかった「うす茶」(ライトブラウン・キャメル、9.0%)が登場した。

 男児のトップは4年連続で「黒」。順位は不動だが、前年から10ポイント弱減の61.2%となり、2位の「紺」と3位の「青」が前年比で数ポイントずつ伸ばしてそれぞれ16.9%と10.6%だった。4位には「緑」(3.7%)、5位には「こげ茶」(ダークブラウン・チョコ、1.6%)が入った。

男児が赤、女児が黒を

 女児は「赤」「ピンク」「紫」がここ数年の三大人気色で、その差があまりない。一方の男児は18年の調査開始以降「黒」が半数を超えており、色のばらつきは女児に比べて少ない。ランドセルの手作りメーカー「村瀬鞄行(かばんこう)」(名古屋市)の社長でもある林会長は、「女児は友だちと色が重ならないようにしたいという子もいて、色へのこだわりが強い。男児は女児に比べてランドセル購入への興味が薄く、無難な色として黒を選んでいるのではないか」と考える。

 ランドセルなどの革製品を製造する土屋鞄製造所(東京都)のサイトには、男児が濃い赤のランドセルを背負い、女児が黒のランドセルを背負う写真が並ぶ。「誰でも、どの色でも、自分の好きな色を」をコンセプトに、来春入学する児童を対象にした新シリーズで、「男児は黒、女児は赤」という固定観念にとらわれず、好きな色を選んでほしいという思いを込めた。

 同社は以前から、カタログやウェブサイトで性別を区分した案内はしていないという。担当者は「今回はさらに、お子さまの『好き』『自分が選びたい』という意思を尊重し、後押しできるようなシリーズとして提案した」と語る。

■女児は自分を演出、男児は……

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