LGBT法「国会提出して」 1285人の弁護士ら声明

新屋絵理
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 LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案について、自民党が今国会への提出見送りを決めたことに対し、法学者や弁護士らが8日、早急な法制化を求める緊急声明を出した。

孤立と困難のなか声あげた

 1285人が名を連ねた声明は「法案は公正な社会を実現する重要な一歩だ」と指摘。その上で「孤立と困難のなか声をあげた当事者たちの努力が存在する。国会提出しない理由を見いだせない」としている。

 呼びかけ人の一人の寺原真希子弁護士は会見で、「性的マイノリティーを含む全ての人々が安心して暮らすために国会議員は行動してほしい」と訴えた。

 与野党は理解増進法案について、基本理念などに「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」などを加えることで合意。だが自民党内で異論が続出したため、党内で了承が見送られた。(新屋絵理)

「避けて通れない問題」 元最高裁判事も呼びかけ

 緊急声明の呼びかけ人の一人で、元最高裁判事の鬼丸かおる弁護士が会見に合わせメッセージを寄せた。鬼丸弁護士は2015年、15人いる最高裁裁判官の一人として選択的夫婦別姓訴訟の審理に関わり、判決が夫婦同姓は「合憲」とするなかで、判決につく個別意見で「違憲」と指摘した。メッセージの全文は以下の通り。

 人により、性的指向や性自認は異なります。個人は、性的指向や性自認において少数であっても、一人の人間としてかけがえのない存在であることに違いはありません。性的指向や性自認も一人の人間に含まれる事項の一個であり、他の事項と公平であるはずです。

 しかし、性的指向や性自認に関しては、我が国では長くタブー視され、この理念が十分理解されているとは言えません。そのためにさまざまな問題に直面している人々がいます。

 いま、性的指向や性自認について議論し上記の理念について理解を深めることが重要な時代を迎え、それは国民生活ともかかわっている問題であって避けて通れません。

 この問題を国会や国民間で議論の対象から外すことなく、むしろ国民的議論を高め理解を深めるように、国民の代表者である国会は積極的に今回の法案の審議をすべきだと考えます。