青森・田舎館村の田んぼアート、今年は「いとみち」

林義則
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 広々とした水田をキャンバスに、色とりどりの稲を植えて絵を描く青森県田舎館村の「田んぼアート」は新型コロナ感染防止のため、今年も観覧を中止する。ただ田植えは2年ぶりに行い、ライブカメラで公開する。津軽地方を舞台に全国公開される映画「いとみち」が田んぼアートのテーマになるという。

 「いとみち」は津軽三味線が得意な少女の成長を描いた物語。25日から全国公開が始まり、青森県内では18日から先行上映される。田んぼアートを主催する同村むらおこし推進協議会(会長=鈴木孝雄村長)によると、映画の制作会社から田んぼアートの題材にどうかと打診があったという。

 制作会場となる道の駅「いなかだて」では縦約70メートル、横約155メートルの水田に11品種、7色の稲を使い、岩木山を背景に主人公を演じる平川市出身の俳優、駒井蓮(れん)さんや父親役の豊川悦司さんら登場人物を表現する。

 昨年は中止になった田んぼアート開催に向け、鈴木村長は3月にテーマを発表した際、「津軽の風景が入っており、親近感を持てるとてもいい題材。期待してほしい」と話していた。

 しかし、4月からクラスターの発生が相次ぐ県内の感染状況を考慮し、村は今月4日、今年の観覧中止を発表。田植えは予定通り行う。7月中旬~8月中旬に見ごろを迎える田んぼアートは、オフィシャルサイトのライブカメラで公開するという。

 新型コロナの感染拡大を懸念し、青森ねぶた祭や八戸三社大祭の山車運行など、2年連続で夏祭りの催しが中止になるケースが相次いでいる。

 高さ12メートルの「世界一の扇ねぷた」が出陣する平川市の平川ねぷたまつり実行委員会は4月末、「準備段階の感染リスクや8月までの収束が見通せない」として、祭りの中止を決定。津軽地方で4~5月、新規感染者数が高止まりした状況を受けて5月25日に五所川原立佞武多祭りの中止が発表されると、ほかの夏祭りでも開催見送りの判断が続いた。

 黒石市中心街を踊り歩く黒石よされ流し踊りと、弘前ねぷたまつりは同27日に中止となり、同31日には黒石ねぷた祭りの合同運行も中止が発表された。

 県が6月4日、祭りやイベントの感染対策を強化するガイドラインを発表すると、中止の動きは祭り以外のイベントにも広がり始め、「人流」を加速させる大型行事の開催は難しさを増している。

 ガイドラインは「公道や沿道に祭りの参加者以外の通行人が入り込まないようにする」「開催会場を明確に区切って参加者全員を特定できるようにする」などと強い対策を要求。これらを踏まえ、弘前市などは7月に上演を予定していた弘前城薪能の開催見送りを決定した。青森ねぶた祭を中止した実行委員会は、ガイドラインをもとに代替イベントが開けないか、慎重に模索している。(林義則)