自民・二階氏の議連顧問に安倍氏 党内融和アピール?

野平悠一
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 自民党二階俊博幹事長が、自ら会長に就く「『自由で開かれたインド太平洋』推進議連」を発足させ、15日に設立総会を開くことがわかった。最高顧問には、安倍晋三前首相が就任する。政界で両氏の主導権争いがささやかれるなかでの接近は、党内外に「融和」をアピールするねらいもありそうだ。

 二階氏側近の林幹雄幹事長代理が8日、安倍氏と面会し、就任を打診。菅義偉首相にも首相官邸で面会し、議連の設立を伝えた。党関係者によると、設立総会では、安倍氏のあいさつや安倍政権下で内閣官房副長官補を務めた兼原信克氏の講演が予定されている。

 「自由で開かれたインド太平洋」構想は、2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD6)で当時首相だった安倍氏が提唱した外交戦略で、台頭する中国の一帯一路に対抗するねらいがあった。

 党内では、秋までに行われる次期衆院選や党総裁選を控えた主導権争いが始まっている。

 5月21日にあった党半導体戦略推進議員連盟の初会合では、安倍氏のほか、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明税調会長の3氏がそろい踏み。安倍政権下で官房長官を務めていた菅首相を含めて「3A+S」と呼ばれ、政権の骨格をなした間柄だ。麻生氏が「A(安倍)、A(麻生)、A(甘利)。3人そろえば、なんとなく政局という顔」と述べるなど、同議連は、安倍政権下から幹事長に居座り、党内の主導権を握り続ける二階氏への牽制(けんせい)との見方が永田町に広がった。

 それだけに、このタイミングでの二階氏による議連の発足は、7月の東京都議選や次期衆院選を控え、ざわつく党内をおさめて一致結束をアピールしたいとの思惑も透ける。(野平悠一)