ベゾス氏ら著名資産家「ほとんど納税せず」米サイト報道

ニューヨーク=真海喬生
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 米調査報道専門ニュースサイト「プロパブリカ」は8日、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏ら、米国の著名な資産家らの納税記録を独自に報じた。巨額の資産にもかかわらず「ほとんど納税していない」と指摘し、富裕層に有利な税制の問題を提起している。

 プロパブリカは調査報道を専門とするNPOで、主に寄付金で運営している。米国の内国歳入庁(IRS)の内部資料を独自に入手し、富裕層数千人の15年以上にわたる納税データを分析して報じたという。

 報道によると、ベゾス氏は2007年と11年に、米テスラ創業者のイーロン・マスク氏は18年に連邦所得税を払っていなかったという。ほかにも投資家のウォーレン・バフェット氏、米ブルームバーグ創業者のマイケル・ブルームバーグ氏らの納税額を報じた。

 米国の平均的な世帯は、年間所得のうち14%を連邦税として支払っている。これに対し、資産額の上位25人は14~18年に資産が4010億ドル(43・7兆円)増えたが、納めた連邦所得税は、その3・4%に当たる136億ドル(1・48兆円)にすぎなかったという。

 また、著名な資産家らは、借金の活用や投資損失の計上などで所得を圧縮し、納税額を少なくしていたという。

 超富裕層は資産の多くを株式の形で保有するが、株式は配当を除くと、売却して利益が出ないと課税対象にならない。プロパブリカは、株式の配当や売却益は税率が賃金所得より低いため、賃金労働者と比べて、資産額に対する納税額の割合が少ないと指摘している。

 米バイデン政権は富裕層への課税を強化する方針だ。報道を受け、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「超富裕層は富のほんの一部しか税金を払っていない」「公平な負担をさせるため、富裕税を導入する時だ」とツイッターに投稿した。

 一方で、ホワイトハウスのサキ報道官は8日、「アクセス権限を持つ者が政府の機密情報を不正に開示することは違法であり、非常に重く受け止めている。IRSは適切な措置を講じている」と述べた。(ニューヨーク=真海喬生)