第4回子どもへの性犯罪は省庁横断 縦割りでは一元対応できず

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言いたい!こども庁
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言いたい!こども庁 ④ NPO法人フローレンス・前田晃平さん

 認定NPO法人フローレンスの前田晃平さんは、こども庁の創設を機に、子どもへの性暴力を防止する新たな仕組み「日本版DBS」の導入を訴えています。

 ――なぜ、いま、子どもへの性暴力防止なのでしょうか。

 昨年、ベビーシッターのマッチングサイトの運営会社「キッズライン」に登録していたシッター2人が強制わいせつ容疑で逮捕されました。うち1人は性犯罪の前科がありました。私が働くフローレンスでは病児保育や小規模保育園などを運営していて、子どもたちと関わる仕事です。一つの企業だけで防げるのか。未然に防げないのか。そう考えるうちに、日本版DBSが必要だと思うようになりました。

 子どもにかかわる政策を集約する「こども庁」の創設に向けた議論が与党を中心に進んでいます。新たな官庁にはどんな期待ができるのか、肝心の政策の中身はどうか、そもそも新組織をつくるべきなのか。子どもたちに携わる仕事をしている6人に聞きました。

 ――まだ聞き慣れないのですが、「DBS」とはどんなものですか。

 イギリスの「Disclosure and Barring Service」という仕組みが基になっています。保育や教育といった子どもと接する職場で働きたい人は、職種などにかかわらず全員、行政機関から過去に子どもへの性犯罪歴がない「無犯罪証明書」を取り寄せ、雇う側に提出することを義務づける仕組みです。

 ――そういう仕組みがあるのですね。

 子どもへの性犯罪は再犯率が極めて高く、この仕組みによって再犯は防ぎやすくなります。証明書を出すには、性犯罪の前科がある人のデータベースが必要になります。加害者の人権を考慮して、登録する人を有罪が確定した人に限ると、示談で終わったケースは対象外になってしまうので、「めでたしめでたし」にはならないです。

――実現にはどんなハードルがありますか。

 今の日本の法律では、過去の犯罪歴を示す「犯歴情報」は本人の求めであっても、行政は開示しません。この開示を認めると、例えば、就職活動の時に、企業が本人に犯歴情報を出せ、と言うようになるかも知れません。そういう問題が起こることを考えると大事な規定ですが、一方で子どもを守るために、ここをどう乗り越えるか。もう一つは、データベースに何年分の犯罪歴を載せられるか。刑法の規定もあり、いまの法律上は10年間しか載せられないことも考えられ、それで十分なのか、議論があると思います。

――日本版DBSの実現には…

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