香港の大規模デモから2年 亡命香港人らがメッセージ

台北=石田耕一郎
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 香港国家安全維持法国安法)が導入される契機になった大規模な民主化デモから2年を迎え、台湾の香港支援団体などが9日、オンラインで記者会見を開いた。英国に政治亡命した香港人らが民主化運動の継続を呼びかけ、支援団体は「中国に抵抗する運動は持久戦だ。台湾と香港は協力を続ける必要がある」と訴えた。

 香港では2019年6月9日、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようにする条例改正案をめぐり、大規模なデモが起きた。人口約750万人のうち、主催者発表で103万人が参加したとされる。デモはその後、警察が強圧的な取り締まりに転じたことで過激化。中国の全国人民代表大会常務委員会が20年6月に国安法を可決した。

 この日の会見には、昨年の米タイム誌で影響力のある世界の100人に選ばれた香港立法会(議会)の元民主派議員、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏が亡命先の英国から参加。「かつての仲間が投獄されているため、自分が頑張らねばと思う。海外で声を上げ続け、香港の民主化運動に貢献したい」と語った。

 また、香港の元学生団体幹部で英国に逃れた張崑陽氏は「香港に戻れないつらさはあるが、滞在国の人々と交流して支持を広げ、現地の政府を香港の運動に巻き込む必要がある」と今後の運動方針を提言した。会見には台湾・蔡英文(ツァイインウェン)政権の与党・民進党の立法委員(国会議員)らも出席した。

 香港では国安法の施行後、デモなどの民主化運動が表立っては難しい状況になっている。羅氏や張氏ら海外に逃れた民主活動家は今年3月、今後の運動方針を定めた「2021年香港憲章」を発表。運動の継続を呼びかけている。(台北=石田耕一郎)