真剣さゆえに生じた不協和音、失いかけた「感謝」思い出させた(奏でるコトバ、響くココロ)

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浜松聖星高校(上)

大切なあいうえお

 楽器や自動車の生産で知られる静岡県浜松市。浜松聖星高校はその中心部に位置している。吹奏楽部は、浜松海の星高校という校名の女子高だった時代から全日本吹奏楽コンクール全国大会に通算7回出場している東海地方を代表するバンドのひとつだ。

 しかし、音楽監督の土屋史人は部員にこう言い聞かせている。

 「コンクールがすべてじゃない」

 3年でトランペットパートのトップ奏者を務める「ナイトー」こと内藤千尋(ちひろ)は、土屋のその言葉を聞くたびに思った。

 (この部活には全国大会金賞を目標にしている部員がたくさんいる。コンクールがすべてじゃないなら、私たちはいったい何に向かって進み、どこへ到達すればいいんだろう?)

 ナイトーがその答えを見つけたのは、今年3月に行われた全日本アンサンブルコンテストに出場したときだった。

     ♪

 ナイトーは小学4年で金管バンドに入り、トロンボーンを担当した。小6のときに初めて浜松聖星高校吹奏楽部のコンサートを見に行き、ダイナミックな音のとりこになった。中学で担当楽器をトランペットに変えた。浜松聖星高校のコンサートには必ず足を運び、「早く私もこの中に入りたい」と願っていた。

 2019年、ナイトーは浜松聖星高校吹奏楽部の一員となった。いきなりコンクールメンバーに選ばれ、吹奏楽コンクール全国大会に出場した。苦労もあったが、順風満帆な1年目だった。

 その年のトランペットパート…

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