64年五輪の思い出語る首相、「いまそれ聞いてない!」

伊木緑
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 首相と野党党首が一対一で向き合う党首討論が9日、2年ぶりに国会で開かれた。丁々発止のやりとりは少なく、質問と答えがかみ合わない場面もみられた。若者にどう響いたのか。

 若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」の代表で、東京五輪パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言に抗議する署名活動を率いた慶大院1年の能條桃子さん(23)は「まず、出てくるのは全員男性なんだなと改めて感じた。見慣れた光景だが、慣れてはいけない。多様性のなさを指摘し続けなければ」と話した。

 今回、注目していたのは「コロナ対策の総括と今後の方針、そして東京五輪をどうするのか」。

 だが全体を通じ、「聞きたいことが聞けなかった」。質問に正面から答えず、1964年東京五輪の思い出をとうとうと語る首相の姿に「いまそれ聞いてるんじゃない! とびっくりした」という。「持ち時間5分の党は短すぎたし、30分あった立憲民主党も冗長だったと思う」。

 同世代からは「声をあげても無駄」という政治に対するあきらめを感じる。「いまどんな課題があってどう解決していくのかを語ってほしかった。生活を制限され、補償も限られ、それでも前を向いてがんばろうと思えるメッセージを期待したが、それもなかった」

 それでも「党首討論は大事だと思った」という。首相が「国民の命を守る責務がある」と言っている以上、普段の国会では大臣が答弁するような質問に、自ら考えを述べる機会があるべきだと考えるからだ。「もっと時間を長くし、2年に1度とかではなく頻繁に行ってほしい」伊木緑