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ワクチン接種、夜間・土日に近所で 「生野モデル」とは

細見卓司
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 新型コロナウイルスのワクチン接種で、平日夕方以降や週末に、住民の近所の会場で実施する取り組みが、大阪市生野区で14日に始まる。行政主導の集団接種とは異なり、住民から「便利な時間に打ちたい」「遠くの会場まで足を運べない」との声を受け、区内の病院に勤める医師が発案した。医師や看護師の通常診療以外の時間帯で、「打ち手」を確保しやすいというメリットもある。

 当面は、今年度中に65歳以上になる高齢者向け接種を優先する。いずれは、平日日中に仕事を抱え、夕方以降や週末にしか接種を受けられないという64歳以下の住民のニーズもあるとみている。

 「ワクチン受けにいくのプロジェクト」と称し、生野区の活性化をめざす一般社団法人いくのもりが取り組む。メンバーで医師の中村一仁さん(48)が、保健所とも相談し、発案した。「『もっと早く打って』などと、多くの人の声を聞いて、貢献したいと考えていた」と中村さん。どんな「プロジェクト」なのか。

 接種場所は、区内の12カ所の「福祉会館」など。平日は午後6時半開始、土日は午前9時半または午後1時半開始の予定。中村さんに加え、医師5人と看護師4人がチームを組み、平日日中の通常診療以外の時間帯に、各会場を巡回する。

 区内の医療機関の院長の協力で、ワクチンを確保するめども立った。住民は1回目の接種を受けた後、3週間後に同じ場所で2回目を受けることができる。

 予約方法は、いくのもりが各地域の住民らに呼びかけ、どうするのが望ましいか考えてもらった。複数の地域で開かれた「予約相談会」の方法では、ボランティアが高齢者に対し、既に他の医療機関などで予約していないか聞き取った上で、当日の接種がスムーズにできるよう事前に予診票の記入を手伝った。医療機関では「予約を受けるだけでもマンパワーが足りない」(中村さん)ことから、医療従事者の予約受け付け業務の負担を軽減する狙いもある。すでに予約が埋まったところも、これから予約方法を検討するところもある。

 中村さんは「主役は地域住民で、僕はツール。今までの行政主体ではないところに意義がある」と語る。いくのもり代表理事の木村和弘さん(53)は「地域からわき起こってきた課題を、町ぐるみで解決する象徴的なモデルになる」と強調する。

 接種券を持つ区民が対象。問い合わせは、メール(ikunogurashi@gmail.comメールする)で。(細見卓司)