長崎バスと県営バス 共同経営に向け協定締結

米田悠一郎
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 長崎市内で路線バスを運行する長崎自動車(長崎バス)と長崎県交通局(県営バス)が、路線維持のため「共同経営」の検討に入る。両者は9日、連携協定を締結。今後、両者でダイヤや運行の分担について協議し、計画を国に申請、来春の開始を目指す。

 競合するバス会社同士がダイヤ編成や運賃を調整することは独占禁止法のカルテルにあたり、従来は違法とされていた。だが昨年11月、同法の適用を除外する特例法が施行され、これらの行為は共同経営として認められるようになった。すでに熊本、岡山両市の路線バスで導入例がある。

 長崎バスと県営バスは長年、市内で路線バスを運行してきたが、利用者の減少に直面している。市の統計などによると、2018年までの5年間で、市の人口は4・5%、市内のバス利用者は12%減った。長引くコロナ禍で、昨年6月~今年3月の輸送人員は前年比23・4%減。20年の両者の赤字は計約16億円となった。市は、バス利用者は35年までに50~60%減ると推計する。路線網を維持するには、両者の共同経営に向けた協力が不可欠との結論に至った。

 長崎バスの嶋崎真英社長と県交通局の太田彰幸局長は9日、市役所で共同経営に向けた連携協定を締結。「単独の内部努力だけでは路線の維持が困難だ」と、そろって強調した。

 今後は両者で共同経営の計画を策定。市や他の交通機関との意見交換を経て、来年2月ごろにも国に特例法に基づく申請をする。認可が得られれば、来年4月にもサービスが始まる見通しだ。

 長崎市もこれと並行し、地域の公共交通の維持に向けた施策を今夏に示す。締結式に立ち会った田上富久市長は「バス路線網の維持は市民の暮らしに非常に重要。市としても責任を果たしたい」と話した。(米田悠一郎)