ペット同伴の避難所を開設 久留米市

高原敦
[PR]

 昨年まで3年連続で大雨による浸水被害に遭った福岡県久留米市が、ペット同伴専用の常設避難所を今年から設けた。郊外にある公共施設の約400平方メートルのスペースで、警戒レベル3(高齢者等避難)以上の防災情報が発表された場合に開設される。

 避難所となるのは、久留米競輪場そばのテーマパーク「久留米サイクルファミリーパーク」(同市御井町)にある2階建てレクリエーション施設の2階部分。普段はバドミントン場や卓球場として使われている。避難所となった際には100区画設けるほか、テントタイプの間仕切りやマット、毛布も提供される。

 ペットはケージに入れる必要があり、入らない大型動物や危険な動物は原則受け入れない。フンの始末袋やペットフードは持参する。

 市内には他に指定避難所が142カ所あり、原則としてペット用のスペースを設けることになっている。だが、ほとんどが室内ではなく、軒下や屋根付き駐輪場といった屋外という。

 環境省によると、このようにペットを連れて行く「同行避難」ができる避難所の設置と場所の公表は、以前から自治体側に要請している。さらに踏み込み、同じ室内空間でペットといられる「同伴避難」ができる専用の避難所は、全国でも珍しいという。

 過去の災害時の避難所では、ペットの鳴き声や臭いを巡るトラブルがしばしば起きているという。久留米市もこの点を検討し、「動物が嫌いな人やアレルギーの人もいるため、専用避難所にした」(防災対策課)と説明する。

 環境省は飼い主向けのガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」をウェブサイト(https://www.env.go.jp/別ウインドウで開きます)で公開し、事前の準備を促している。同省動物愛護管理室は「ペットとの同行避難を勧めているが、避難所で迷惑をかけないようしつけをしておいてほしい」と話す。

 ペットの同伴避難所については市民から要望があり、市議会でも取りあげられていた。筑後地方に大雨が降った先月20日、市は初めてこの避難所を開設したが、このときは利用者はいなかったという。

 大久保勉市長は「大きなニーズがあればさらに追加もあり得るが、まずはやってみて、数年間は状況を見る」と話している。(高原敦)