百貨店の屋上からアマゾンへ 水草を極めた30年の旅

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高橋末菜
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凄腕しごとにん

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ピンセットを使い、アクアリウムの水槽をメンテナンスする早坂誠さん=門間新弥撮影

エイチ・ツー 代表取締役 早坂誠さん(49)

 東京・渋谷、NHK放送センターのほど近くに、水草や熱帯魚などの専門店「SENSUOUS(センシュアス)」はある。店内には透き通った水をたたえた水槽が整然とならび、青々とした水草の間を小さな熱帯魚たちが泳ぐ。

 水草や魚、流木、こけなどを水槽に美しくレイアウトする「アクアリウム」も手がける。テレビのドラマやスタジオ向けにつくることも多い。ピンセットで一本一本植えた水草は、これまでに60万本にのぼる。

 30年ほど前、百貨店の屋上にあるペットショップに入社した。小動物や熱帯魚と違い、水草の売れ行きは悪かった。売れないから手入れも行き届かない。整理整頓好きが高じ、「放っておけなかった」。働き始めて3年目のころだ。

 水槽の水を入れ替え、水草を並べ直した。すると水草が光合成を始めた。葉から出る気泡が光を反射し、宝石のような輝きを放つ。足を止める客が増え、売り上げが伸びた。おもしろくなり、水草に関する本を読みあさった。10年目を迎える頃、水草の世界を極めたいと独立した。

 これまでに南米アマゾンのオオオニバスの群生や、色とりどりの花壇や草原など、美しい景色をアクアリウムで再現してきた。世界規模のコンテストで上位入賞もした。2800種類ほどある水草のうち、判別できるのは500種類以上にのぼる。

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ピンセットやハサミなどは、いつも特注のバッグに入れて身につけている=門間新弥撮影

 必要なのは知識とセンス。水草ごとに必要とする光源の種類、成長の速さ、適切な水質などを踏まえたうえで、配置や色彩、濃淡などのバランスを考える。

 デザインのイメージは、自然…

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