限りない欲望、株式会社が抱える病 治療法は「共有」

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聞き手・岸善樹
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 東芝の大株主が外資系ファンドになるなど、私たちが描いてきた「ニッポンの会社」の姿が揺らいでいる。大企業が経済社会を支えるビジネスモデルはもう過去のものなのか。元ベンチャー企業家で、東京・中延でカフェを経営する平川克美さんに、来たるべき「シン・カイシャ」の姿について聞いた。

 株式会社という存在は「病」を抱えています。1602年にオランダ東インド会社が誕生してから400年以上たち、行き詰まりを迎えているのではないでしょうか。

 株式会社がやった「離れ業」は会社の所有と経営を分離したことです。両者が同一なら経営者の資本の範囲でしか活動できませんが、分けたことで、いくらでも資本を集められるようになりました。

1950年生まれ。ベンチャー企業経営などを経て、東京・中延にカフェを開店。今年3月まで立教大客員教授もつとめた。著書「株式会社の世界史」など。

 所有者である株主のリターンへの欲望には限りがなく、常に「成長」を求められることになります。しかし、先進国の人口減少で需要が頭打ちになると、袋小路に入り込みました。グローバル化は、市場の発掘の涙ぐましい努力のたまものです。「成長」という水の中でしか生きられない。これこそが、株式会社が抱える病といえます。

 最近は、限られたパイをめぐって、株式会社同士の闘争が世界中で起きています。国策に寄り添ってきた東芝でさえも、投資ファンドの買収劇にさらされます。ファンドのねらいは人材や技術力、特許などです。底値で買えば、たたき売って利益が出る。つまり会社そのものが、市場の商品になっているのです。

記事の後半では、株式会社の病に対する平川さんの解を伺っています。キーワードは「共有」です。

 もはや新しい市場は金融やサイバー空間にしかありません。ソフトバンクは2020年度決算で4・9兆円の純利益を計上し、巨大IT企業GAFAの存在感は圧倒的になっています。でも、これらは「シン・カイシャ」ではなく、「病」が顕在化していないだけのように思います。

 株式会社が「悪」なのではあ…

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