「イージス」って何? ミサイル防衛の迷走と責任

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 「イージス艦」、「陸上イージス」、そして値段が高すぎると近頃話題の「代替イージス」――。日本を守るという自衛隊の「イージス」とは、一体どんなものでしょう。どうしてこんなに迷走するのでしょう。藤田直央・編集委員が解説します。朝日新聞ポッドキャストでお聞きください。

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Q:政府が自衛隊に配備しようとする「代替イージス」の値段が高すぎるのにきちんと説明されていない、と最近朝日新聞が大きく報じていますね。

A:はい。日本海を越えて飛んでくるミサイルを撃ち落とすために、政府は「陸上イージス」という迎撃ミサイルの施設を秋田県山口県に造ろうとしていました。ところが地元への説明がずさんで約束した安全対策が守れなくなり、昨年に配備を断念。そこで「代替イージス」として特別な船を造って海から迎撃することにしたのですが、コストの試算が「陸上イージス」の倍の9千億円にもなることがわかったんです。

Q:あれ? でも自衛隊には「イージス艦」という船もありますよね。

A:そうなんです。まず土台として、米国で冷戦期に開発されたイージス・システムがあります。イージスはギリシャ神話にちなんで「盾」を意味し、多くのミサイルで同時に攻撃されてもレーダーで探知して迎撃できる仕組みです。その機能を持つ船が「イージス艦」で、米軍や自衛隊では艦隊へのミサイル攻撃を防ぐために導入されました。

 その「イージス艦」を、日本に向かってくるミサイルを撃ち落とすミサイル防衛にも使うことになり、今世紀になって配備が進みました。ところが北朝鮮ミサイル発射が急増する一方で中国の海洋進出も活発になり、海上自衛隊は忙しくなるばかり。そこで政府は4年前に、「イージス艦」の仕事のうち、ミサイル防衛を陸上自衛隊の「陸上イージス」に任せることにしたという経緯でした。

Q:その「陸上イージス」がだめになって、また海の「代替イージス」という話になっているんですね。

A:ええ。政府は北朝鮮に対するミサイル防衛強化は急務だと言って「陸上イージス」導入を決めたのですが、それがここまで迷走して費用も膨らむばかりというのは本当に問題です。一連の決定には安倍晋三首相菅義偉首相も関わっており、政治の責任が厳しく問われるべきです。

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