火山監視、細る地域密着のドクター 普賢岳5人→1人に

会員記事普賢岳

小川直樹
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 43人が死亡・行方不明となった30年前の雲仙・普賢岳長崎県)の大火砕流の後も、111の活火山がある日本では、御嶽(おんたけ)山(長野・岐阜県境)など各地で噴火災害が相次ぐ。山の異変を察知して被害を防ぐには「ホームドクター」と呼ばれる地元密着の研究者の存在が不可欠だが、大学頼みだった人材は細っている。

 昨年11月、普賢岳の噴火でできた溶岩ドーム上で、九州大の松島健准教授(61)が、岩の間から噴き出す蒸気の温度を測った。94度。周りの防災関係者に「安定した状態だ。噴火活動を示す温度ではない」と語った。

 山麓(さんろく)で火山性地震の観測や学生の現場教育を担う九州大地震火山観測研究センター(長崎県島原市)と市が2001年度から始めた「防災登山」。国や自治体、消防、警察、報道機関の担当者が年2回、現地で研究者の解説を聞き、危機意識を共有する。

 ガイド役の松島さんは大火砕流の翌年の1992年から同センターの前身となる観測所に常駐している。火山に詳しいホームドクターとして、地元で顔の見える関係を築いてきた。火山にはそれぞれ特性があり、噴火の動向を見極めるには、ふもとの観測所で長年研究を続ける研究者が不可欠だ。

 そのさきがけが、観測所の所…

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