ブラジル人「ジャングル出身」 隣国大統領が謝罪
半田尚子
アルゼンチンのフェルナンデス大統領が9日、「ブラジル人はジャングル出身」と発言し、隣国ブラジルのボルソナーロ大統領を巻き込む騒動となった。フェルナンデス氏は「誰かを怒らせるつもりはなかった」とツイッターに投稿し、謝罪した。
ロイター通信などによると、フェルナンデス氏は同日、アルゼンチンを訪問中のスペインのサンチェス首相との共同会見で、アルゼンチン人のルーツについて説明するにあたり、「メキシコ人(のルーツは)は先住民族、ブラジル人はジャングルだが、アルゼンチン人は船でヨーロッパから来た」と発言。「私はヨーロッパ主義者だ」とも述べた。
この発言に対し、ブラジルのボルソナーロ大統領はツイッターに、先住民族と撮影した写真を投稿し、ブラジル国旗の絵文字にスペイン語で「ジャングル!」と添えて投稿した。
騒ぎを受けて、フェルナンデス大統領は「(アルゼンチンには)20世紀前半、500万人以上の移民が先住民と一緒に暮らしていた。私たちの多様性は誇りだ」とした上で、「気分を害した方に謝罪する」と投稿した。
アルゼンチンはスペインの旧植民地で、1816年に独立。今も人口の9割以上がスペイン系やイタリア系など欧州系の住民が占める。首都ブエノスアイレスは「南米のパリ」と呼ばれている。(半田尚子)