第2回生理の貧困と男の性欲、同列扱いに衝撃 理解広める女性
「生理のことって、月経のある人だけが考えればいい問題ではないはずだと思いませんか?」
谷口歩実さん(23)はさらりと言った。国際基督教大在学中の2019年冬、生理用品への軽減税率導入を目指す署名活動を友人とともに立ち上げ、生理への理解を広げる活動を行う任意団体「#みんなの生理」を発足させた中心人物だ。
記者は小学生のころ、初めて月経の話を養護教諭から聞いた。生理の日はナプキンの取り扱いに注意する、人前では生理のことを口に出さない……。「マナー」として伝えてくれたことだと思うが、当時の自分の頭には、生理は恥ずかしいもの、隠すべきものという印象が強く植え付けられた。
そんな価値観を持っていた記者にとって、自ら生理の話題を社会へ発信している当事者たちがいることは驚きだった。これまでの自分と正反対の思考を持つように思えた彼女たちの行動の源を知りたいと取材を始め、谷口さんに活動を始めたきっかけを尋ねると、冒頭の答えが返ってきた。
反響呼んだ「生理の貧困」 偏見根強く
谷口さんは幼い頃、祖母から「お金がなくて、朝ご飯か生理用品か、どちらかしか買えなかったの」と聞いた。60年ほど前の話だが「どちらかを選ばないといけなかったのか」と衝撃を受けた。
大学の卒論のテーマを「生理」にしたのも、この記憶があったことがきっかけの一つ。多くの当事者から「生理の悩み」を聞き取ると、切実な声が次々集まった。
「せっかくアルバイトをして…
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- 【解説】
生理の貧困は、ずいぶん前から世界的にも問題になってきた。生理用品については、非課税化から無料配布へ、というのが大きな流れだ。たとえばオーストラリアでは、生理用品にかかる付加価値税(日本の消費税にあたる)を「タンポン税」と呼び、「不公平で差別
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