開業100周年の都農駅に1960年代再現のジオラマ

大野博
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 宮崎県都農町の玄関口、JR日豊線の都農駅が11日に開業100周年を迎える。記念しての鉄道資料展が駅舎の一角で開かれている。1960年代の都農駅周辺を再現した精巧なジオラマから、廃止になった鹿児島県内の旧国鉄線で使われていた「腕木式」の信号機まで。駅近くで生まれ育った石田和彦さん(58)の作品や鉄道グッズのコレクションが展示されている。

 石田さんが3年かけて作成し、昨年暮れに完成したジオラマは、三角屋根が特徴の都農駅の先代駅舎、周辺にあった商店のほか、駅前に出入りする三輪トラックやボンネットバスまで忠実に再現。日豊線を走るSLの所属先だった旧南延岡機関区の模型も配した。

 石田さんが子どものころ、駅とその周辺は格好の遊び場だったという。展示品の中には、列車の行き違いで停車中のSLの機関士に運転席に入れてもらって撮った小学生のころの写真もある。

 都農駅は1921(大正10)年、官設鉄道宮崎線(日豊線の前身)の高鍋―美々津間開通と同時に開業。1951年に先代駅舎ができ、2017年に先代を模して建て替えられた現駅舎が完成した。

 無人駅化を検討していたJR九州と交渉して町が15年から駅業務の委託を受け、現在は町から再委託された町観光協会が運営。町の情報発信の拠点にもなっている。そうしたてこ入れが功を奏し、地方の駅の多くで利用客が激減する中、都農駅の1日平均乗車人員は1980年ごろから400人前後を維持している。

 木城町にある会社への通勤はマイカーだが、日向市宮崎市に出かける時はなるべく電車を使っているという石田さん。「近年はトラック運転手の人手不足で鉄道貨物が見直され、現在は県内では南延岡駅以北でしか運行されていない貨物列車の復活への期待も高まります。多くの人が鉄道に関心を持ち、利用もしてもらえれば」と話している。

 鉄道資料展は8月31日まで。午前8時~午後5時。入場無料。(大野博)