南種子町長も自衛隊施設の誘致表明 種子島で綱引き過熱

具志堅直
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 馬毛島鹿児島県西之表市)への米空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転に向けた自衛隊基地整備計画をめぐり、南種子町の小園裕康町長は10日、町内に関連施設を誘致する意向を町議会で表明した。西之表市の八板俊輔市長が訓練計画に異議を唱える一方、地元の市商工会や中種子町も関連施設の誘致を求めており、種子島ではFCLPの是非をよそに、関連施設の綱引きは過熱しそうだ。

 南種子町が自衛隊基地の関連施設への立場を表明するのは初めて。小園町長はこれまで静観の構えだったが、この日の町議会一般質問で、馬毛島での整備計画の進展状況を見据え「少しでも早く要望活動を始めることが重要だ」と述べ、地域振興への理解を求めた。

 町は、人口減対策などを期待する地元商工団体などと連名で防衛省向けの要望書を作成。整備計画が決まった場合を見据え、種子島宇宙センターにロケットを運ぶ船が使う町西側の島間港に、南西地域の防衛・災害対応拠点として海上自衛隊護衛艦が寄港する岸壁を新設することなどを求めたもので、独自の図案も示して5月中旬に提出した。

 こうした動きに対しては、島内の市民団体「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」のメンバーらが8日に役場に出向き、抗議した。小園町長との面談後、連絡会の三宅公人会長は「町長はFCLPへの賛否は示さなかったが、賛成の立場にかじを切ったのだろう」と憤った。

 関連施設の誘致をめぐっては、中種子町商工会と西之表市商工会も、各議会の6月定例会に合わせて要望書や請願書を提出。防衛省馬毛島の自衛隊基地に所属する隊員や家族の宿舎を種子島に整備する構想を示していることから、その誘致を求めたり、建設向けの物品調達を地元に求めたりした。1市2町の商工会幹部らは「黙っていたら持っていかれる」と口をそろえる。

 一方、西之表市議会(定数14)では、FCLP計画に唯一、中立の立場でいた浜島明人市議(49)が9日の市議会一般質問で、デモ飛行時の騒音が大きくなかったことなどを理由に賛成を表明。これにより、議会の賛成派と反対派が同数となり、議決権のない議長が反対派のため、宿舎建設関連の請願書が採択される可能性が高まった。馬毛島に関わる政策をめぐって市長との間にねじれが生じる可能性も出てきそうだ。(具志堅直)