ロシアが拿捕の漁船が稚内に帰港 健康に問題なく安堵

奈良山雅俊
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 ロシア警備当局に拿捕(だほ)された北海道稚内市の底引き網漁船「第172栄宝丸」(渡辺大介船長)が11日早朝、稚内港に帰港した。乗組員14人は船内でPCR検査を受け、全員の陰性が確認されて下船した。健康状態に問題はなく、出迎えた漁協関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 栄宝丸は10日午後、拘束されていたサハリン州コルサコフ港を出た。11日午前6時ごろ、海上保安庁巡視艇に伴われて稚内港に入り、稚内港国際旅客ターミナルに接岸した。甲板では乗組員らが接岸作業にあたった。その後、PCR検査を行うため保健所職員4人が船内に乗り込んだ。検疫を済ませた乗組員らは次々と下船し、家族らの車で帰途についた。2週間は自宅で待機することになる。

 ターミナルの屋上で出迎えた稚内機船漁協の風無成一組合長は取材に、「みんなきびきび作業をしていた。健康を害しているような人がいなくて安心した」と話した。栄宝丸が日本の排他的経済水域(EEZ)内で操業していたことを改めて強調。罰金を支払ったことについて、「一番は乗組員と船の早期解放。罰金を払ったからといって違法を認めたわけではない」と語った。

 北海道の鈴木直道知事は11日朝、「乗組員の健康状態に問題は無いとの連絡を受けて安堵している。道としては、関係機関との連携を強化し、漁船が連行され乗組員が拘束される事態が二度と発生しないよう対応していく」との談話を出した。(奈良山雅俊)