ドイツに学ぶDMG森精機 「10年後、女性取締役も」

景気アンケート2021年春

聞き手・今泉奏
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 国連のSDGs(持続可能な開発目標)には、環境対策やジェンダー平等が盛り込まれている。企業はどう貢献できるのか。工作機械大手DMG森精機(名古屋市)の森雅彦社長に聞いた。

 30年後には世界の人口が100億人に迫ろうとしています。みんなが安心して暮らしていくためには、農業でも工業でも生産性を今の倍にして、ムダを省く仕組みが必要です。その過程に、脱炭素や脱プラスチック、フードロス削減などがあります。

 工作機械においては、これまで複数の機械で加工していたものが、1台でできるように集約され、生産性が上がっています。頑張って優れた機械をつくれば商売になるし、世間のためにもなる。非常にやりがいがあります。

 環境への取り組みは業界トップをめざしています。3月には、生産した全商品の部品調達から出荷までの工程で、「脱炭素化」を達成しました。工場で太陽光発電やLEDの導入を進めるとともに、削減しきれない二酸化炭素の排出量は、国際的な気候保護プロジェクトへの出資でオフセット(相殺)しています。4年後には国内工場で使う電力の半分を太陽光由来にしようと考えています。

 こうした取り組みは、2016年に経営統合した同業のドイツ企業の影響が大いにあります。環境への考え方だけでなく、生産管理、働き方を学び、日本側も変わってきました。

 ドイツでは、女性の登用が政府のガイドラインに基づき、ここ10年で一気に進みました。日本では機械工学を学ぶ女性が少ないのが悩みどころです。ただ、マーケティングや経理などの部門は女性の人材も多いので、10年後には部長がほぼ女性になっていると思います。取締役でも女性が増えていくでしょう。

 ドイツ本社では、公にしている同性カップルもたくさんいます。日本はまだ、そういう状況ではありませんが、みんなが楽に働ける環境を作りたいですね。(聞き手・今泉奏)