「社長が下手に質問できない」から脱皮 安川電機のDX

景気アンケート2021年春

聞き手・座小田英史、女屋泰之
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 産業用ロボット大手の安川電機北九州市)は、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、世界中のグループ会社の経営情報を5営業日以内に集約できる体制を整えた。小笠原浩社長にその狙いを聞いた。

 以前はグループ約70社で取引の種類や分類である勘定科目が異なり、製品ごとにつけるコード(識別番号)の規格もばらばらでした。会議でデータについて質問して、現場が集約するのに2週間かかることもありました。(現場の)苦労を考えると、社長が下手に質問できない状況でした。

 DXで、コードを統一したことでタイムリーにデータを把握できるようになりました。月次データも1週間弱で届きます。現場の業務が経営の数字にどう影響するのかを理解しやすくなり、個々の社員が自分の仕事を再定義できるようになりました。

 こうした改革では、システムの仕様の変更などで特定の部署に負荷がかかることがあります。改革の総論には賛成するけど、各論の作業で前向きになれず、思うように進まないところもあります。一定時間経ってから、ある部分の作業の遅れがわかると、結果として全体の工程も遅れます。

 現場の協力を得るには、トップが表に立つことが大事です。私はDXを担当するICT戦略推進室長を2018年から兼務しています。社長が旗を振り、社員みんなに「やるしかない」と思ってもらうことが重要です。(聞き手・座小田英史、女屋泰之)